国民総幸福量(GNH)

ブータンでは、「国民総幸福量(GNH)」という独自の国家目標を掲げて国づくりに取組んでいるらしい。

ブータンの場所ご存知ですか?
ヒマラヤ山麓。ネパールやチベットのお隣さんですね。私も、是非一度行ってみたい国です。

さて、国民総幸福量(GNH)とは、1972年に即位した現ブータン国王が国民総生産(GNP)をもじって導入したもので、これにもとづく政府の開発計画では「経済的な豊かさ」に加え、「環境保護」「伝統文化の維持発展」などを重視しているとのことです。
ブータン内務相いわく、「環境や文化、家族、地域共同体のきずなまでを犠牲にするような経済成長は人間を幸福にはしない。」とのお考え。どこかの国には耳の痛いお話ですね。
また、ブータン研究センターの所長さんのこのお言葉も考えさせられます。

ペットボトル水の需要はGDPを高めるが、川や泉の水が飲めるとどちらが幸福か。塾通いの子どもと自然の中で遊ぶ子どもたちの表情と見比べれば、どちらの社会が幸福度が高いかは明らかだ。

うんうん。スローな暮らしを推進する私としては、共感してしまう言葉です。日本にいては、それを実践することは、なかなか難しいことなのかもしれませんが・・・。

ブータン研究センターでは、今年度から日本の研究者と共同でGNHの指標化に取組むとのことです。「物質的な豊かさと精神的な豊かさを両立させたアジア発の新しい世界標準を作りたい。」と意気込む所長さん。私”かわい”も陰ながら応援させていただきます。

ところで、僕らの住む日本は国内総生産(GDP)は世界2位の経済大国。
これが、世界開発計画がGDPや平均寿命・教育水準をもとに判断する「人間の豊かさ」指数では9位に下落するらしいです。(9位でも立派なものですが。)
そして、電通総研などの各国研究機関が実施する「世界価値観調査」では、「自分が幸せと思う人」の比率で29位だそうです。これは、ベトナムやフィリピンよりも下位だそうです。

このあたりは、幸せの基準をどこに持ってくるかで、ずいぶん違うのでしょうが、この数字はねえ・・・。
経済大国の日本。中高年の自殺者は年間3万人を越えるそうです。
かたや、GDPでは世界最貧国といわれながら、世界一幸せな国とも言われるブータン。
どちらに生まれたほうが、幸せな一生を送ることができるのでしょうか・・・。

ここらで、スローライフを実践してみませんか?

「国民総幸福量(GNH)」への5件のフィードバック

  1. 感激です。国民総幸福量。あさみ新聞でも紹介させて下さいッ。
    かわいさん、荒川修作さんの集住プロジェクトといい、いつも話題が新鮮で、切り口がきれいで素敵です。エントリーいつも楽しみにしてます。

  2. あさみ編集長さん。ありがとうございます。
    あさみ新聞、いつも拝見させていただいております。
    当ブログの記事に興味を持っていただき、恐縮です。
    編集長さんがよろしければ、どんどんご紹介ください。
    スローな輪を広げていきましょう。

  3. 長寿世界一だけで良いのか?

    WHOの統計によると、日本は平均寿命が82歳で世界一長寿の国だった。

    192カ国中日本など13カ国で平均寿命が80歳以上であるのに対し、アフリカ26カ国とアフガニスタンは50歳未満。戦争や貧困、伝染病に苦しむ国だ。もちろんこれだけみれば日本は経済にも恵まれ平和で幸せな国

  4. どもです。ちょっと間があいてしまいましたが、トラバさせていただきました。概要のところを書き忘れたので、サマリーがなんかヘンですけど、、すみません。

  5. あさみ編集長さん。トラックバックありがとうございました。
    先ほど、お邪魔させていただきました。
    龍谷大学の引用文、すてきな一文ですね。
    グローバルスタンダードの波に乗らない、オンリーワンの国家って、すごく存在意義があると思います。
    「日本に疲れたら移民しようかしら?」なんて・・・・。
    それにしても、いつも忙しそうですね。

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