asahi.comの「住宅断熱材からの温室ガス排出防げ 経産省が技術開発へ」という記事より引用です。
経済産業省は住宅建材用の断熱材という「隠れた」温室効果ガス排出源の対策に乗り出す。断熱材には、二酸化炭素(CO2)に比べて温室効果が1000倍程度も高い「代替フロン」と呼ばれる気体がCO2換算で年間500万トンも使われており、これに代わる新材料の開発で、温室効果ガスの排出削減を目指す。
経産省によると、建材用断熱材の2~3割には、発泡剤としてハイドロフルオロカーボン(HFC)などが使われている。
HFCは、オゾン層破壊を防止するため、使用が禁止されている特定フロンに代わる代替フロンと呼ばれる物質の仲間。断熱効果を持つ一方、環境に漏れると高い温室効果を示すため、京都議定書でCO2などと並ぶ温室効果ガスの一つに指定されている。
冷蔵庫やエアコンに使われる場合は回収が義務づけられているが、建材用断熱材の場合は、解体までの長い期間に、大半が自然に漏れ出ているとみられる。
経産省は、断熱材の気泡の大きさを現在の1000分の1程度、10ナノメートル(ナノは10億分の1)まで小さくする技術を開発するなどして、HFCなしでも断熱効果が十分にある材料の開発を目指す。5年計画で新年度予算にまず3億円を計上した。
05年の建材用断熱材のHFC使用量は約5000トン。将来、この分量がすべて大気中に放出されると、温暖化への寄与ではCO2換算で500万トン規模となり、日本が1年間に排出するCO2の約0.4%に相当する。
建築産業は、自動車産業と並んで地球温暖化を進めている産業といえるでしょう。
また、建築→生活→解体というすべてのシーンにおいて、地球環境に大きな負荷をかける可能性があります。
しかし、ご多分に漏れず、コスト優先の安易な仕様決定や材料選択がされていることが多いのが現状です。
また、ひとつの建物のライフサイクルの短さも問題といえます。
環境負荷の低いマテリアルの開発も重要ですが、私たちが建物を計画する時も、地球環境を意識した計画を心がけたいものです。