現場の質の低下が気掛かり

建築現場の質が年々低下しているような気がします。
職人だけでなく、現場監督も。
現場監督のほうが質の低下が激しいかもしれません。
そういう、設計事務所も例外ではないのかもしれませんが・・・。
一番の原因は「金」でしょう。
不当に安い請負金額が、モラルの低下を招いているのではないでしょうか。
毎日サービス残業で、家に帰ったら寝るだけの現場監督。
常に赤字ぎりぎりで仕事を請け負わされる、専門工事業者。
身につけた技能相当の工賃が支払われない、技能労働者(いわゆる職人さん)。
まあ、いま日本を凌駕しつつある新自由主義者たちは、「努力したものが報われる社会」なんて、聞こえのいいことを言うのでしょうが、そんな理論で語れるほど、社会の仕組みは単純ではないのではないでしょうか。
世の中には、長年の下積みが必要な職人よりも、簡単に楽して同じ収入が得られる仕事がたくさんあります。
彼らが、それをどう感じるでしょうか?
ほかの職業のほうが、うらやましく感じるのが当然なのではないでしょうか。
そして、自分も楽に儲けたいと思い始める。つまり、手抜きです。
いま、職人の世界というのは、”ほかに仕事がないからなった”という人の割合が、非常に多くなってきているのではないでしょうか。
そして、伝統技術を身につけなければならない職種は敬遠されがちなのではないでしょうか。
職業選択の自由が金銭的なもので阻まれてしまうのは、非常に不幸なことだと思うのです。
どんな職種でも、有能な人材が確保でき、不平等感のない分配システムというのが非常に重要だと思うのです。
「勝ち組」「負け組」などと、くだらないことを言っている前に、よく考えてみましょう。
俗に言う上流階級がいなくなっても社会は回っていきますが、俗に言う底辺の人たちがいなくなったら、僕らの生活は成り立たなくなるんじゃないですか?
僕は、すべての人に平等に分け与えようなどと言う気は、全くありません。
しかし、社会を構成するうえでの「公平な分配システム」の整備は必要なのではないでしょうか。
・・・で、僕らの設計料も「公平な分配システム」にあやかれると、うれしい。

「現場の質の低下が気掛かり」への1件のフィードバック

  1. はじめまして
    予算に見合った設計をしていただきたいです。
    社会の底辺て・・? 何を基準におっしゃてるのか・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA