そら。。

最近、散歩していて思うこと。
空がだんだん切り取られていくんだよね。

僕が、この街に住み始めてから、ずいぶんと高層マンションが増えました。
スカイスクレイパーというと、概念的にはもっと高層の建物をいうのかもしれないけど、ヤツらは立派に、空を切り取っている。

このあたり、第一種低層住居専用地域・風致地区・高さ制限10mという場所が多いので、余計にニョキニョキ建っているマンションが目に付くのである。

でも、なぜそんなことが起るのか?
それはですね~。幹線道路沿いなんかには、道路から20m~30mの範囲で、規制の緩い用途地域が定められていたりするんですよ。
これについては、わかります。理解できますよ。
第1種低層住居専用地域では、基本的に住宅しか建築できませんから、住民の利便性のために店舗などが建築できる場所が必要です。それが”歩いていける場所で”と考えれば、幹線道路沿いを規制の緩い地域にしようということになるでしょう。

でもね~。僕が理解できないのは、そこから先なんですよ。
どうして規制の緩い用途地域は、建蔽率・容積率・高さ制限まで規制が緩いんでしょう。
例えば、第1種住居地域になると、一律に建蔽率60%・容積率200%なんていう指定がされています。(稀に違う割合の場合もありますが、名古屋市の場合標準的にこれが多いです。)
だから、2階建ての住宅ばかりの地域に、いきなり15階建てのマンションとかができちゃったりするんですよ。

なんせ、マンション業者なんていうのは事業採算性だけを考えて、売ってしまえば、あとはサヨウナラっていうような連中ですから、地域の環境とか、美しい街並みなんていうものには、ほとんど関心ありません。
自分たちが、景観や環境を壊しておきながら、その地域の良好な環境をセールスコピーにするような輩です。
高層マンションのチラシを見ると、やるせなくなってしまいます。(ちなみに、うちのマンションは4階建てですよ!)
なんか、国立マンション訴訟の原告団の気持ちが解る気分・・・

これが、用途地域は第1種住居地域でも、建蔽率・容積率・高さ制限は第1種低層住居専用地域に準じたものにするだけで、地域の雰囲気はぜんぜん違ったものになっていくと思うのです。
僕は、「用途地域は、その地域に建築することができる用途を定めるもの。」「建蔽率・容積率・高さ制限は、その地域に建築することができる建物の規模を定めるもの。」として、明確に考えを分けて指定・運用していくべきだと思うのです。

景観法ができて”美しい景観”云々のフレーズが氾濫しているようですが、スカイラインがある程度統一されてるってのも、美しい景観の要素なのではないでしょうか?

行政には、もっと、この街はこうつくってiきたいんだというポリシーを持って、都市計画を指定して欲しい。そのためには、住民参加が今以上に重要になっていくのではないだろうか?

ということで、僕も、ここで私論を展開しているだけでなく、専門家として何かしないといけないと思ってしまったのであった。
まずは、何から行動を起こすべきなのか、考えるところから始めようっと。


今回、難解な文章になってしまいましたが、用途地域は、「住居系」として規制の厳しいほうから、第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域・第1種中高層住居専用地域・第2種中高層住居専用地域・第1種住居地域・第2種住居地域・準住居地域というのがあります。このほかに、「商業系」として、近隣商業地域・商業地域。「工業系」として、準工業地域・工業地域・工業専用地域というのがあり、それぞれに、建てられる建物の用途と、建てられない建物の用途が決められています。そのほかに、建蔽率とか、容積率・高さ制限・日影規制などがそれぞれの用途地域ごとに決められていて、建てる事が可能な建物の大きさが決まってくるのです。

「そら。。」への1件のフィードバック

  1. 素敵な公園

    私は思い違いをしていることに気づきました。地球規模で温暖化対策が迫られている今、

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