企業のモラルって

久しぶりに、いろんなブログを渡り歩いていたら、こんなブログにたどり着いた。

一級建築士ねずみのブログ
この人、「一級建築士虎の巻」なるHPもやってるみたいなので、試験勉強中の人は、いってみるのも、まあ、いいかもですね。
そこでのエントリーからのリンク。

兼松日産農林が住宅用ビス強度偽装、耐震性能水増し
いやはや、なに考えてんだか・・・(怒)。
僕は、2x4工法(枠組壁工法)は設計したことがないので詳細はわからないのですが、恐らく「耐力壁とする合板を留め付けるクギやビスの強度が水増しされていた」ということなのでしょう。
そもそも、枠組壁工法の強度とは、木材と面材(合板)とが確実に取り付けられて、はじめて発揮されるものですから、”クギやビスの強度が不足していた=家全体の強度が不足していた”ということになりますね。つまり、安全だと思って住んでいたら、地震がきたらペシャンコなんてことも有り得るのですよ。
僕自身は2x4工法の耐震性にはいささか懐疑的なんですが、耐震性を決め手にして2x4工法を選んでいる人も少なからずいると思われるので、”大ショック”な出来事ですね。
それにしても、”認定書を偽造”されたら、僕ら設計事務所も、工務店もハウスメーカーも、欠陥を防ぎようがないです。「工事監理をしっかりしてるかどうか?」などという次元の問題ではないのです。(いわば、みんな被害者!)
人の命を何だと思っているのか?
住宅なんていうのは、”一生に一度の買い物”という人だってたくさんいることでしょう。
多額のローンを組んで、一生に一度の買い物をした結果が、”震度5程度の地震が来たら壊れるかもしれない建物”では洒落にもならないですよ。
人の命と引き換えに、金儲けをするような企業は市場から退場してもらいたいものです。

ところで、こういう事件があると、いつも判を押したように「認定書偽造は、資材開発担当の主任技師が独断で行ったことで会社ぐるみではなかった」というようなコメントが出されますが、こんなことって、通常の品質管理ができている会社ならば有り得ないことだと思うのですが・・・・。
こういう、怒り系のニュース。いい加減にして欲しいものです。

「企業のモラルって」への6件のフィードバック

  1. こういう問題って会社の一担当者レベルで『スミマセンでした』とかいう話ではないですね。
    その人がそこの会社の従業員であるならば、会社にはその人を雇った管理責任があります。
    ましてや企業にとって一番大切な『認定書』を偽造していたなんて、そんなことも見抜けないほどこの会社の上層部は節穴なのか!
    甚だ疑問である。
    責任を取るのは個人と会社の両方ですよ。

  2. 認定書って簡単に言えば、部品一つ一つ試験しなくても、性能が保証されてますよって書類ですよね。
    それが、偽装されていたら、品質管理の根底が崩されてしまいます。
    ましてや、人命に関わる部分で品質を偽装するというのは、何があってもしてはいけないことです。そういうことが理解できない従業員がいるということは、やはり会社の責任といえますよね。
    ところで、告示1100号の仕様でいくと、2x4工法でなくても、構造用面材で耐力壁とってる木造建物って結構あると思うのですが、そちらは大丈夫なんでしょうか?クギの種類が違うので、今回の事件とは関係ないかもしれませんが、N50クギなどが該当していたら、そちらの追跡調査のほうが困難なのかもしれません。
    とりあえず、2x4工法に住宅にお住まいの方は、対策を急がれるほうが良いですね。

  3. 今回の件は、何があってもしてはならない件ですので、これ以上偽造はないことを願います。
    個人的には、今回の件があまりにも特殊なケースだと思っているのですが…。

  4. ねずみさん。情報ありがとうございます。
    国交省も、認定書偽装というのは聞いた事がないとのコメントだとか。
    確かに、どういう経緯で水増ししようなどと考えたのか不思議ですね。
    強度を水増ししたところで、何のメリットがあるのでしょうか?・・・・ストレートの考えてわからないところが、裏がある出来事なのでしょうが。

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