日本の国土の現状・・・

建築学会総合論文誌「景観デザインのフロンティア」から。
放送大学教授の香山壽夫さんが「景観論はデザイン論たり得るか」という論文で、日本の国土について、このように述べられている。

日本の国土は病に冒されている。表面が傷ついているだけではない。内から病んでいるのだ。その病は、住宅の工業化を推進し、没個性の住宅地を生みつづけてきた住宅政策にあり、自動車のためだけで人の歩けない道を作りつづけてきた道路計画にあり、大量生産・大量販売によって近隣商店街を破壊した生産・流通方式にあり、山や田畑を荒廃させてきた農業・林業とそれに関する諸施策がある。
これは総合的で、根幹的な病である。・・・・・・

まさにその通りだと思う。
そして、これらの問題は、日本の景観を醜くしているだけでなく、いま社会におきている諸問題(例えば犯罪の増加やコミュニティの崩壊)とも密接に関わっている。

僕がいた建設コンサルタントは、区画整理を主な業務としていたが、区画整理とは、まさに”没個性の住宅地を生み、自動車のためだけで人の歩けない道を作り続ける”事業である。何度か、社内コンペで、それを打ち破ることを試みたが、社内でさえその壁は厚く高いものだった。ひどいときには「建築はブロックの中だけ考えてればいい」なんて言われる始末。グスン、グスン・・・。

話しが逸れていってしまったが・・・。
僕個人的には、近年の社会問題は、日本の街のつくりの悪さと密接に関係していると思っている。
これら社会問題を解消していくためには、街づくりから考え直していく必要があるのではないだろうか。
そのために、微力ながら、アクションを起こしていこうと思っているのである。

久々のカタイ話題・・・・。

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