ちょっと建築系とは離れてしまうんですが・・・。
懐石料理と会席料理って、違いを知ってました?
そういえば、字も違うし、使われ方も違うような気がしますよね。
毎日新聞のネット版に、こんな記事があったので、引用して載せさせてもらいました。
料亭や旅館で出される日本料理の「懐石」と「会席」。いずれも、「かいせき」と読むため、混同されることも多く、その区別がなかなかつかない。懐石料理と会席料理は、どのように違うのだろうか。【澤晴夫】
◆懐石
◇茶事発祥、ご飯味わう
「懐石は茶事に伴う料理で、会席は宴会のための料理です」。そう話すのは東京・新橋の老舗料亭「金田中(かねたなか)」の若主人、岡副真吾さん。懐石は「茶懐石」とも呼ばれ、「調理用語辞典」(全国調理師養成施設協会刊)では「濃茶を空腹時に飲むと胃に刺激が強すぎることから、濃茶をおいしく喫するために懐石料理が出された」と解説している。
語源は「禅宗の僧侶が空腹と寒さをしのぐために温めた石を抱いたこと」に由来し、禅の影響を受けた茶の湯で、お茶を飲む前の腹ごしらえとして出されたものを懐石料理と呼ぶようになったという。懐石は、濃く出した抹茶をおいしく飲むための料理のことのようだ。
ご飯を主に、汁と刺し身などの「向付(むこうづけ)」、煮物の「椀(わん)盛り」、「焼き物」の「一汁三菜」が基本だが、さらに客をもてなしたいとの気持ちから「強肴(しいざかな)」や、酒のさかなとして「八寸」が並べられる。
本来はお茶をおいしく飲むための料理だが、岡副さんは「ご飯をおいしく食べるための料理でもあるのではないでしょうか」と話す。最初に出されるのは炊き上がったばかりの軟らかいもの、2ぜん目が、ちょうどいい蒸らしかげんになる。最後には釜の底に残ったこげ飯に湯桶(ゆとう)から熱湯を注ぎ塩味で食べる。つまり「懐石は、ごはんを味わい尽くす『飯事(めしごと)』でもある」と岡副さん。
また、「懐石では八寸が供され『献酬-千鳥の杯』と言い、亭主と客との杯のやりとりを重ねるところから、『杯事(さかずきごと)』となる。酒も米の姿の一つであるし、お茶のため以前に、酒のための腹ごしらえとも言えますね」と話す。現在、旅館などで出される懐石料理は客が酒を飲むことが前提になっているので、最初にご飯が出されることはない。
◆会席
◇酒が主体、献立に趣向
一方の会席は「先付」に始まり「蒸し物」まで、すべて酒を楽しむための料理。調理用語辞典では「会席はもともと連歌や俳諧の席のことで、武家の礼法に基づいた『本膳(ほんぜん)料理』や、懐石料理の形式を崩して、今日の酒宴向けの料理になったようだ」と説明している。
すまし汁など「吸い物」に「向付」「焼き物」「煮物」の「一汁三菜」に、酒のさかなとして「お通し」「突き出し」とも呼ばれる「先付」や「揚げ物」「蒸し物」などが加わる。最後にご飯と「香の物」「止め椀」のみそ汁が出される。ご飯を主体にした懐石に対し、会席は酒が主体になるのが大きな違いだ。
会席料理の「金田中」では先付や前菜をまとめて「前肴(まえざかな)」と呼んでいるが、岡副さんは「席に座った時に気持ちがホッとする物を用意しておく。ちょっとおなかの足しになり、これは常温。続く『椀』は温かいお汁。『造り』は冷たい生のお刺し身という具合で、温度と質感を変えながら人心地と、酒席の献立としては理にかなったものです」と話す。
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茶の作法に従った懐石に比べ、会席は献立に趣向を凝らしているようだ。岡副さんは「昔からある大きなルールは大事にするが、自分の中の裁量で献立を変え、『平成の会席料理』を作っていきたい」と話している。
毎日新聞 2006年10月7日 東京朝刊
そんな違いがあったのですね。。