国交省が、旧耐震基準の分譲マンションの、補強工事改修費の補助率の上限を引き上げる方針を固めたそうです。
現行の15.2%から33%へ、約2倍の引き上げになるそうです。
耐震化のひとつのネックは、やはり金銭的な問題ということになるでしょうから、良いことなのでしょう。
ただ、旧耐震基準の年代の老朽マンションの場合、新しい物件に比べて、より経済的余裕のない人が多く居住していることや、賃貸比率が高くなっている点などもあるかと思うので、一筋縄では、いかないような気もします。
建物をストックとして考えた時に、現在の住宅政策が社会全体のためになっているのか、検証するべき時がきているのではないでしょうか?
以下、引用記事です。
旧耐震基準のマンション、改修費補助を2倍に 国交省 -asahi.com-
2006年07月20日23時00分
国土交通省は20日、現行の耐震基準を満たさない分譲マンションの補強工事促進に向けて、改修費の補助率の上限を約33%と現行の約2倍に引き上げる方針を固めた。補助制度を05年度に設けたが、多額の費用負担に尻込みする居住者が多く、改修のめどがなかなか立たないためだ。国交省は07年度予算の概算要求に反映させる。
中古マンションの改修費は1戸あたり300万~400万円が相場とされるが、実現には区分所有法の規定で通常、居住者の4分の3以上の賛成が必要だ。耐震改修の補助率の上限が国・地方合わせて15.2%となっている現行制度のもとでは、これを利用した分譲マンションの改修実績が全国で数棟にとどまっている。
81年から適用されている現行の耐震基準は、震度6強から震度7程度の大規模地震でも倒壊などの被害が生じないことが前提条件。国の推計では、現行基準を下回る住宅は全体の25%にあたる1150万戸。そのうちマンションなど共同住宅は150万戸にのぼる。
政府は2015年までに現基準を満たす住宅の割合を90%に高める方針を打ち出している。だが、分譲マンションの耐震改修に補助制度を設けている市町村が1割に満たないなど、行政側の対応の遅れが目立っている。