映画『朝日のあたる家』を見に

昨日、東海市の現場検査に行ったついでに中川コロナワールドで上映されている『朝日のあたる家』を見てきました。

なんと、メンズデーなので1000円。
メンズデーがある映画館はいいなあ~。
人々の関心化あまりないのか、不便なところだからなのか、月曜日の16:10~なんていう中途半端な時間に映画身に行く暇人なんてそんなにいないのか、キノシタホールよりも少し多いくらいの人と一緒に見てきました。
ちょっとさみしいナ。

内容はというと・・・
山岡原発という仮想の原発(いや、浜松あたりの人が見たら誰が見ても浜岡原発なのですが)が事項を起こして放射能が拡散されるが、フクイチやチェルノブイリの事故の教訓は全く生かされず、放射能漏れの隠ぺいや、住民の被ばくが繰り返されてしまう。
という、非常にサラッとした説明ですが、そんなところです。
本当にそんなことが起きそうで、起きてしまったら本当にそんな結末になりそうで、またまた、福島で生活している人たちはこういった状況に置かれて、少なからずこういった思いをしてるんだろうなあと・・・何とも得ない怖さとやるせなさと怒りを感じてしまうそんな内容でした。

個人的な感想は・・・
感情移入してしまうので、差し控えたいと思います。
映画の舞台になった湖西市とは、県境をまたいだ隣の町で生まれて、浜名湖を毎日眺めて育った僕としては、「ああ、あそこあそこ」なんて言ってしまうような身近な風景がスクリーンに映し出されて、故郷を奪われるということに対して平常心で見ていられないというか・・・。
福島の被災者の人たちの思いを想像すると、何とも言えない気持ちになってしまいました。

原発について、ああだこうだとわかったようなことを言っている人たちにこそ見せたい。
何の落ち度もなく生活していたのに、ある日の自分にはどうしようもない出来事で、突然故郷を、生活の基盤を奪われる。
目に見えない放射能の恐怖と闘いながら生活し、事故前とは程遠い環境に暮らすことを余儀なくされる。
事故を起こした当事者たちは驚くほど無責任で他人事。
コミュニティの崩壊。
離散。
今のようなメチャクチャナ状況を放置しておくと、この映画に描かれているような第二のフクイチが絶対あると思えてくるような恐怖を感じます。

ただ、チェルノブイリで起きている現実もあるとしても、映画で描かれている放射能の影響はフィクションの域を出てないのかもしれないという疑問もどこかにあり・・・(政府や原子力ムラが本当のことを公表しないように、制作サイドも被害を誇張しているということもあるのかなぁと、そういうことは常にあることで・・)、数年後に福島で起きている現実をドキュメントとして撮ってほしいナと思います。
悪い方の想定をしていくと、そうなってしまった時には遅いのですが・・・。
真実を知ることはしたいナ。

この映画、徐々に上映する映画館が増えてはいるものの、恐らくテレビでは放送されないのでは・・・。
市民レベルで、いろんなところで、いろんな人に見てもらうような継続が重要なんじゃないかナ。

なんでもない日常が、未来まで、ずっと続いていくために。。

 

この『朝日のあたる家』
名古屋近辺では、現在、中川コロナワールド半田コロナワールドで上映中。
たくさんの人に見てほしいナ。

「映画『朝日のあたる家』を見に」への2件のフィードバック

  1. 「朝日のあたる家」を見てくださり、ありがとうございました。
     この映画で出てくるエピソードは全て事実に基づいたもの。
     福島の方から直接聞いたもの。新聞等で記事になったもの。
     驚愕の事実的なスクープはなにもありません。
     多くの方がすでにご存知の事実を物語化したもの。

     よくある映画のように脚色し、誇張もしていません。
     なぜなら、その事実が作家が考える悲しい話を遥かに超えた悲劇だからです。
     人が考えるレベルを超えた悲しみが福島に溢れていました。
     ただ、今回取材した以上に悲しい話もいっぱいあるはず。
     その意味で福島の悲しみはこの映画どころではない。ということが本当でしょう。

     テレビスポット、新聞広告をする予算がなく
     ボランティアの方々の応援だけで宣伝しているので、なかなか多くの人に映画が上映されていることが
    伝わりません。
     このように感想書いて頂けること、ありがたいです。
     できたら、この文章を監督ブログで紹介させてください。
     よろしくお願いします。

  2. 太田さま

    拙文にコメントいただきありがとうございます。
    何度も、書き直そうと思いながら現在に至っており恥ずかしいばかりです。
    映画が訴えているテーマに対して、自分の気持ちを表現するのって難しいなあ・・・と。

    おっしゃってるように、映画で取り扱われている事象については、誇張もされておらず、想像していた内容でした。
    ただ、ツイッター上などには原発反対の立場の人からも、推進の立場の人からも、明らかにおかしい・・・デマと思われるような情報が垂れ流しにされていて、(日本国民の恐らく多数派だと思われる)映画中の”おとうさん”のような人たちに真実を伝えることができるのか、そういった不安はどうしても感じてしまいます。

    ドキュメンタリーを・・・なんておこがましいことを書いてしまいましたが、フクシマで現在進行していることの最悪の結末を知らされて、初めて、今危惧されていることが白日の下にさらされるでは、悲しく、やるせなくなってきます。

    個人的には、食品の放射能一つをとっても、2年半経った現在のほうが、より厄介で深刻な状況になってきていると感じています。

    浜岡原発一つとっても、原発をとめて廃炉にしていくことが一朝一夕でできることではないことは理解しています。・・・私が静岡県に住んでいるころから、ずっと浜岡原発の危険性は訴えられていたのに、311までは稼働していたのですから。

    ただ、自分の子供や、孫の世代、さらにその先の子供たちから、2011年を生きた人たちが止めてくれなかったから・・・・。と言われないように、一人一人の小さな力を大きなものにできるように、ほんの少しづつでも前に進んでいきたいと思っています。

    最後になってしまいましたが、こんな文章でもよろしかったら自由にご使用ください。
    より多くの人が、この映画を観て、何かを気付いてくれることを期待しています。

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