住宅性能表示 準耐力壁

住宅性能表示の構造評価に準耐力壁という概念があるのですが・・・。

今回、特にこれについての解説ではないので、その方面についての期待はしないでくださいね。

今設計している住宅なんですが、小舞下地の土塗り真壁で進めているのです。
で、最近、木造の構面外に打ち付ける耐力壁がどうも信用できない気がして仕方がないので、耐力壁は、すべて構面内に設置する仕様で考えているのです。

ただ、構面内に設置する耐力壁仕様というと、
代表的なものとして、筋違い
今回の、土塗り真壁
そして、告示1100号の乾式真壁
といったところになってしまうの思うのです。

で、まず一般的な土壁で耐力壁の壁量を算定。
当然、足りるわけがありません。
なんせ、今回の建物、室内のすべてが柱・梁丸見えの真壁造ですから、金物なんてものはなるべくなら見せたくありません。
筋違いが取り付けられる壁も限られてきます。

苦心の末に、ぎりぎりOKというところまで筋違いを入れて、性能表示の準体力壁を加味すれば、結構いい数字が出るはずだから・・・。なんて考えながら、性能表示のマニュアルをパラパラ見てみたのです。
すっ、すると、性能表示の準耐力壁には、構面外の耐力壁仕様しかない・・・。ようなのです。

ちょっと、待ってくれよ・・・。
たかだか10mmちょっとの石膏ボードを片面に張り付けた垂れ壁とか腰壁なんかよりも、壁圧80mmの土壁のほうが、誰が見ても強そうじゃん・・・。(と、勝手に思い込んでいるのですが、科学的根拠があるわけではないので・・・)
住宅性能表示も、住宅産業の片棒を担いでる感じがして、ちょっと、やるせない気分になってしまったのでした。

それにしても・・・。
構造計算書偽装事件を受けた一連の建築関連法改定のあおりを受けて、木造伝統工法の建物は、限界耐力計算で構造の安全を確かめない限りは、建築の道を閉ざされてしまったようです。
なかには、何百年、いやいや、千年以上もこの地上に存在している木造伝統建築の建物もあるというのに・・・。
「鉄筋コンクリート造や鉄骨造なんて、100年持つの?」って言いたくなってしまうのです。
ましてや、2x4工法なんていう(僕個人的な意見では)信用ならん工法を、計算上成り立つからといって、優遇したりして・・・。

自国の伝統文化を尊重して、国を挙げて伝統工法を検証しようという気概のない国土交通省に、ムカムカしてきてしまう気分です。(最初から、何も期待はしていませんが・・・)


で、今設計している物件ですが・・・
最後に、告示1100号に定められてる土塗真壁仕様にすると、壁倍率をだいぶ高く見ることができるので、(コスト的にほんとにできるのか?なんて思いつつ)そちらでも検討。
それでも、壁量を満たせなかったので、最低限の筋違いを入れて、とりあえず、この仕様で行くことにしたのでした。
空間を取るのか、強度を取るのか・・・。
悩ましい。
新潟での地震の直後だけに・・・。

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