談合について、ちょっと考察

今日はちょっと談合について考えてみました。
防衛施設庁の官製談合事件が話題になってますね。
果たして、談合というのは無くすことが出来るのか?
ということなのですが・・・。

この、談合というのを考える前に、建築の価格決定システムを整理しておく必要があるでしょう。

建築の価格を決定する方法、価格を決定するというか施工業者を決定する方法には何種類かあり、特命、随意契約、入札、見積り合せ、などがあります。(施工のみならず、設計もこんなところです。)
で、価格は決めないけど(というと語弊があるでしょうが)、設計者や施工者を決める方法に、コンペ、プロポーザル、などがあります。

まず特命ですが、建築主と施工者が、1対1の関係です。例えば、知り合いの大工さんに「こんど家を建てなおしたんだけど、たのむわ。どころで、いくらになる?」なんて感じのものです。
民間工事では結構多いです。公共工事ではないわけではありません。ただ、税金を使う工事で”もっと安く出来る業者があるかも”を排除してしまうことになるので、よっぽどの理由がないと公共工事では使われないでしょう。

次に、随意契約ですが、こちらも建築主と施工業者は1対1の関係です。こちらは、「この工事したいんだけど、○○円でやってくれる?」ってところでしょうか?
最初に業者から見積りを取ることが多いので、特命との区別がわかりにくいのですが、こちらは”その工事に関連する工事を以前にやっていたので、今回もその業者で”っていうのが標準的なパターンです。
例えば、”最初の工事を1円入札で取っておいたら、そのあとに、もっとでかい工事が随意契約で待っていた”なんていうこともあり、よく問題になってますね。

で、見積りあわせですけど。
これは、民間工事に多い手法ですね。
施工業者を何社かリストアップして、複数業者の見積りから、いちばん安い業者を選ぶというやり方です。ただ、一番安い業者の見積りが、とんでもない内容と言うこともありますので、実際には、いちばん信頼できる業者ということになるでしょうか。
ただ、これ、見積りを出す側としては”意中の業者の見積りを下げさせるために、ダミーでぶつけられてるのでは?”なんていう不安がぬぐえないのです。

最後に入札ですけど、公共工事で業者決定する際に、いちばん多く使われる手法です。
まず、図面と積算数量を業者に渡して、指定された日時に全業者が集まって、自分が出来る金額を書いた札を提出するのです。そして、原則としていちばん安かった業者が施工業者に決定します。
ただ、工事によっては、誰が見ても”その金額じゃあできんだろ”って言う業者を排除するように、最低落札価格というのが定められてることもあります。
で、ここで、いちばん安い札を入れる業者を、前もって業者の仲間内で決めておこう。なお且つ、できるだけ高い金額で落札するにはいくらだったらいいのだろうという話し合いをするわけです。
出来るだけ高い金額というのは、入札の時には、予定価格というのを役所の側で決めているので、その価格ぎりぎりのところを狙うと言うことですね。
で、この金額を業者サイドで予想して(時には何らかの手段で情報を入手して)、誰がいくらの札で入れようというのがいわゆる談合で、役人サイドから「今回の工事はこの金額で予定しとるから、いっちょ頼むわ。落札した時にはわかっとるだろうねえ。」なんて、賄賂を要求したりするのが官製談合といったところでしょうか。

ただ、こういう仕組みって公共工事のみならず、民間工事でもあるわけでして、特命なら特命業者になるために、随意契約ならば、はじめの一歩の工事を取るために、またまた、見積りあわせでも、いろんな立場の人たちが入り乱れて、どろどろした話しが繰り広がられているわけなのです。

で、話のまとめがよくわからなくなってきましたけど、役所の側も談合防止のために、いろいろやってはいるものの、やはり人間の本能的な部分というのはモラルに頼るだけでは、どうにもならないものだと思うのです。

やはり、最終的な決め手は「談合がばれたら社会復帰的ない」というぐらいの厳罰化しかないのではないかと・・・。

それでもって、官製談合のほうなんですけど、こちらは、積算のコンピューターのシステムを、入札された業者の金額をすべて入力するまでは、予定価格自体が表示されないようにしてみたらどうかと思うのです。
やはり、人間知ってしまったからには、魔が差したときに、誰かに話してみたくなるもの。
「最後の最後にわかりました。」なんて形にしておけば、外部に漏れようがないと思うのですが。
それじゃ、最後の最後に「予算オーバーでした。すみません。」なんてことになってしまうか・・・。

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