木を見て森を見ず?

設計の仕事の傍ら、住宅性能表示とか住宅瑕疵保険の検査の仕事もしているのですが、今日行った現場での出来事で・・・。
木造戸建て住宅の瑕疵保険の検査は、通常、基礎の配筋検査と、上棟後の構造検査の2回の検査を行います。
今日は、基礎配筋検査の現場に伺ったのですが・・・。

その現場は、設計図書を確認した時にも、なにやら複雑な基礎で、ちょっとマークはしていたのです。
そういう物件は、設計施工の物件よりも、設計事務所が設計した物件のほうが多いです。
たいした大きさでもないのに、基礎の種類が8種類。4m以内毎ぐらいに鉄筋のメンバーが変わってたりしています。
確かに、厳密に構造計算すると、そういう結果になるのですが、実際はそんなに細かく鉄筋を変えていたら、継手だらけになってしまって、どこもかしこも鉄筋が重なっているような状態になってしまいます。
気のきいた構造設計者だったら、ある程度代表的な基礎のまとめてしまって、配筋をシンプルにするのが通常なのではないかと思います。
僕が、お付き合いのある構造屋さんも、そういう方針です。

で、今日の現場なのですが、鉄筋屋さんは、相当苦労した模様。
鉄筋の組み方に、苦労が伝わってきます。
検査しているこちらも、頭が痛くなってきます。
頭が痛くなってくるような感じですが、どうやら問題なさそうです。
ゴクロウサン。

(・・・と、その問題には最初から気付いていたのですが・・・。)
なんと、スラブ配筋が100mm間隔で入れていないといけない箇所が、200mm間隔で。
通常、こんな初歩的なミスを、鉄筋屋さんが間違えて、監督さんも見落としてるなんてあり得ません。
さすがに、この手のミスは、初めての出来事です。
複雑な基礎を間違えないように施工することばかりに気を取られて、一番気付きやすい部分を見落としていたのですね。

現場の経済性っていうのは、部材を細かく落とすことよりも、職人さんが施工しやすいように設計するほうが、結果向上するのかもしれません。
建物の安全性は、確実にそのほうが向上するかな・・・。

良い教訓の一日でした。

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