共生できる手法を考えたい

自然界と人間界のバランスというものが、崩れてしまっていることが原因なのでしょうけど、こういう対策というのは、個人的には、いかがなものかと思ったりもするのです。

まずは、asahi.comの記事から。

鳥フン害 引っ越し作戦大成功 知立駅前
-asahi.com愛知版- 2006年10月23日
知立市の名鉄知立駅前の広場で20日夕、「駅前広場クリーン・アップの集い」が開かれた。広場のケヤキの木に群がり、「フン害」をまき散らしていたムクドリが、市民らによる「引っ越し」作戦で姿を消した。これを機にさらに美しい広場づくりを目指そうと企画した。中心になった市民らは「引っ越しは成功。舞い上がることなく地道に環境美化に取り組みたい」と決意を語った。
3本のケヤキの木をねぐらにしていたムクドリは2千~3千羽。フン公害は深刻だった。
地面も、あずま屋の屋根も噴水も、フンで白く汚れ、悪臭を放っていた。通る人もせっかくの広場を避けるように足早に通り過ぎていた。
市も手をこまねいていたわけではない。鉄砲で脅し、枝を刈り込み、ムクドリが警戒した時の鳴き声をテープで流した。だがどれも失敗した。
改めてムクドリ対策に挑んだのが「市まちづくり委員会」だった。市と市民が協働で取り組むまちづくりを目指し、昨年制定された「まちづくり基本条例」に基づく委員会で、委員は公募した。
18人の公募委員のうち環境部会の7人が7月、ムクドリの行動を観察。8月にはムクドリの「撃退」に成功した豊橋駅前を視察。そこで得たのがケヤキをネットで覆うアイデアだった。
環境部会では早速、市の都市計画課と相談。9月15日、造園業者の手でケヤキをネットで覆う作戦を実行した。
その日の夜。ムクドリたちは集まってきたが、「異変」を感じたのか大半は周囲の電線に止まった。それでもケヤキに止まろうとしたムクドリは、見張りの部会メンバーが枝を揺すって追い出した。翌日の夜。ムクドリは帰ってこなかった。
それから1カ月。ムクドリは姿を消したままだ。「この秋の引っ越し作戦は成功しました」とムクドリ対策の中心になった食品小売業の稲垣達雄さん(57)が言った。
ムクドリの生態を調べ、「鳥のプロフェッショナル」とまで言われるようになった稲垣さんは「撃退」の言葉は使わない。「鳥だって生きているんです。本来のすみかに帰っていただく。だから『引っ越し』。来年は再び戻ってくるかも知れませんが……」

 

たしかに、ムクドリのフン害って、街のいたるところで見かけられますね。
気持ちのいいものではありません。
特に、人に集まるところには来てほしくないですね。

でも、この”ムクドリのフン害”にしても、”人里に熊が出た”なんてことにしても、人間のサイドの勝手な都合だと思うのです。
動物たちの棲む場所をなくしたのは人間ですよね。そして、動物たちが人間の生息域に出てきた。
やみくもに都市(人間の生息域)を拡大しすぎた、つまり、街づくりの失敗が原因なのではないでしょうか。

なんか、環境保護団体みたいな感じになってきてしまって、いやな感じですが・・・。

そういった、自然と共生できない都市を省みないまま、物事を進めていっても、将来に向けての抜本的な解決にはならないと思うのです。
生態系が崩壊して、人間だけが生き延びられるなんてことは、あり得ないと思います。

古い考えの街づくりでは(勝手に古い考えなんていってしまってますが・・・。都市のインフラ整備と呼ぶのが正確でしょうか)では、「環境と共生する」という考え方が、あまりにも希薄だったのではないでしょうか。
個人的には、ムクドリのフンが落ちている歩道も、ネットがかけられたケヤキも、景観的には同じくらい醜いと思うのですけど・・・。

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