過信は禁物なのでは・・・

痛ましいエレベーター事故があった。

製造者であるシンドラーエレベーターについて、いろいろ騒がれているようだ。

今現在は、何が原因で事故が起こったのかはっきりしていないので、シンドラーエレベーターに原因があったのか、その他の部分に原因があったのかは解からない。
ただ、エレベーターというのは、多かれ少なかれ、使う人に恐怖心を与える道具だろう。
なにか事故があれば、人命に関わる惨事になりかねない乗り物なので、法定点検なども義務付けられ、適正な維持管理がなされるようにされているはずである。
製造者・管理者に、そういう意識があり、絶対に事故を起こしてはならないという意識があっただろうか?

事故を起こしたエレベーターは、ここ数年で何度も不具合を起こしていたと聞く。
中国に行っていたときに、会社のエレベーターが同じような不具合を起こしていたが(そのエレベーターは日立だった)、あのときの不安な感じといったら・・・。
事故を起こしたエレベーターを使っていた人たちも、不安を抱えながら使っていたに違いない。

いま、建物が高層化し、エレベーター無しでは移動が不可能といっても過言ではない建物が多数存在する。
僕たちの生活に欠かすことの出来ない道具になっているだけに、日々、安心して使う事ができるように、安全にだけは、過剰といえるぐらいの神経を使って欲しいと思う。

ただ、最近、不安に感じる事がいくつかある。
第一に。
人のすることには、必ずミスがあるということを忘れていないか?
家をつくる現場などでも、工業製品同様、均一な品質のものが出来上がると考えている人は、意外に多い。
本来はそうあるべきなのだろうが、建築の場合は、現場のそれぞれの状況(暑い寒いということもあるし、作業スペースの違いや手元の明るさ、職人さんの体調なんてこともある)によって、必ずといっていいほど、違う品質もののになる。
それを見越したうえでの、品質管理がされ、安全管理がされなければいけないのだが、そういった意識がない人が多いように感じるのである。

第二に。
機械やコンピューターといったものを過信しすぎていないか?
所詮、人間がつくったもの。
必ず壊れるし、考えも及ばなかった不具合が出てくる事だってある。
万能なんてものは存在しないということを、もう一度考え直す必要があるように感じる。

第三に。
「コスト。コスト。」というあまりに、必要なコストまで削っていないか?
これも根が深い問題なのではないだろうか。
最近、いろいろな場面で思うことなのだが・・・。
何か今の社会のシステムというか、人の考え方が、人の制御可能な範囲を超えてしまっているような感じがしてならない。

ただ、僕の杞憂であればいいが・・・。

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