ちょっとまてよ・・・

被害者救済は重要なのですが・・・。

耐震強度偽装で国交相、公的支援を検討の方針 -@nifty.news 読売新聞-

公的支援を検討するなら、まず、関係者の処分をどうするのか?
これが重要なのではないのですかい?
もちろん、今回の構造計算書偽造事件の被害者の皆さんを放っておいていいわけはないのですが、僕ら、建築士の責任を持って設計をしている面々も、建築士全体の信用問題になってきているという観点からみれば被害者な訳ですし・・・。

世の中、今回の建築士以外にも”悪徳建築士”なんて連中はゴロゴロしている訳ですから、そういう連中がのさばらない仕組みを整備しないと、金儲けのために手抜きをするような連中のために、貴重な税金を浪費する破目になってしまうのではないでしょうか。
また、今回の”被害者”の範囲をどう定義するかというのも、曖昧にしてはいけないと思います。デベロッパーなどの場合、コストダウンの名のもとに、設計サイドに有言無言の圧力があるなんてことも想像難くない話です。
利益を上げるための行為のために起こったことだとしたら、それは救済する必要があるのでしょうか。
かといって、建築主すべてを除外してしまったら、ホントに被害者という建築主もいるわけですし・・・。
それを分類するのは、なかなか難しいと思うのです。

話は変わりますが、この記事の中にもあるのですが、建築確認検査機関や行政に対する見方というのに、ある種の違和感を覚えるのです。(この記事というよりも、建築確認行政に対してなのですが)
建築基準法の法的手続きというのは、「確認」というかたちで行われます。よくある「許可」というものではなく、確認というのは、行政に対して”こういう建物をつくろうとしていますが、建築基準法に違反してないか確認してください”というものなので、確認というのは、役所の”お墨付き”でもなんでもなく、「完了検査済証」が発行されて、はじめて合法建築物というお墨付きがもらえるのです。
許可と違って、建物が完成するまでは、設計者・監理者(つまり建築士)に、大きな権限が与えられるとともに、僕ら建築士が合法な建築物つくる義務を負っているわけです。

つまり、合法的な建物を世に送り出す責任は、行政の側にあるのではなく、建築士の側にあるのだと思うのです。そう考えると、信用できる建築士に監理を委託すると言うのは非常に重要なことといえるでしょう。
このへんが、僕ら建築士の中でも、建築確認が一番重要だと勘違いしている人がいるように難しいところで、増してや一般の皆さんは、建築確認済証があれば、合法な建物が出来上がっていると錯覚してしまうでしょう。

今回の事件、設計サイドも、民間の確認検査機関も、「コスト削減と合理化」を追求していく社会の風潮のうえに、起きてしまったのではないでしょうか。
いまの社会って、”必要なこと”にすら”金と時間”を惜しむように見えて仕方がありません。

話しがそれてしまいましたが、記事中にある”今年6月、最高裁が「民間の指定確認検査機関が行った建築確認は、それを受理した自治体に責任がある」との判断”。日系アーキテクチャーの記事で見たときにも違和感を感じました。
自治体の肩を持つわけではないですが、”民間の確認検査機関が行った建築確認”の中身を特定行政庁(つまり地方自治体)が知る術はありません。それを知りたいのなら、民間が行った建築確認を、同じ手間を浪費して行政が再度確認するということですから、”民間の確認検査機関”なんてものは不要なのです。
また、民間の確認検査機関の免許権者は、国土交通大臣か県知事のはずですので、実際に建築確認行政を執り行う市町村は蚊帳の外で、確認検査機関がどのような審査をしていても、免許停止も業務改善命令も出来なかったと思います。

とにかく、「民間の建築確認検査機関」そのものが、米国の圧力に負けて政府が導入したもの。それを、今回の行政にも問題ある発言。僕には、今回の事件は「民間でできると思った事が、民間にはできなかった。」に近いものがあると思う。僕の身の回りにも、民間の確認検査機関になってから、確認審査が楽になったという人が多いし、なかには、「あそこの確認は大丈夫か?」なんて冗談交じりにいう人までいる。政府が米国の圧力に負けて導入したシステムの不具合ならば、国は、二度とこのようなことが起きないような抜本改革を責任を持って行い、「民がしたことに無駄な税金を投入する」なんて事がないようにする義務があるのではないでしょうか。

時間がないところで書いて、雑文になってしまいましたが、どうしても黙っていられなかったので。
見苦しい文章ですみません。(いつものことか・・・。)

「ちょっとまてよ・・・」への2件のフィードバック

  1.  いつも有難うございます。
    なんでもかんでも『公的資金』を使うのは止めて頂きたいです。
    まずは、責任あるべきところに責任を取ってもらうのが筋だと思うのです。
    『はいっ、自己破産!』なんて逃げられてもしんどい話ですが…。
    世の中には、工事中に『請負業者が倒産』なんてザラにある話だと思います。
    今回の件だけ、差をつけるのはどうかと感じます。

  2. 長文読んでいただきありがとうございます。
    今回の件は、本当に騙されてしまっている被害者と、分譲マンションなどで検査済証が出ている物件(合法建物と判断するしかない)を買ってしまった人たちがどれくらいいるか?が問題なのですかね。
    ただ、そのような建物をつくった原因はデベロッパーにも多少なりは責任があるはずなので、闇雲に税金で救済と言うのはおかしいんじゃないでしょうか。
    ただ、”善意の第三者が途方にくれる”というのは、ないようにしてもらいたいとは思います。
    僕の立場としては、造った側の責任は、はっきりと追求してほしいと思います。でないと、僕らの仕事も報われなくなってしまうような気がします。

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